「走り始めは平気なのに、何キロか走ると膝の外側が痛くなって走れなくなる」「下り坂や階段を下りると膝の外側が痛い」。マラソンや長距離走をする人に多いのが腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)、いわゆるランナー膝です。
館林市の本沢整骨院の柔道整復師が、腸脛靭帯炎の原因とセルフチェック、ほかの膝の痛みとの違い、走ってよいかの目安、再発を防ぐトレーニングを解説します。
- 腸脛靭帯炎(ランナー膝)とは何か、なぜ膝の外側が痛むのか
- 家庭でできるセルフチェックと、ほかの膝の痛みとの違い
- 走ってよいかの目安と、受診すべきサイン
- お尻のトレーニングなど、治して再発を防ぐポイント
腸脛靭帯炎(ランナー膝)とは
腸脛靭帯は、骨盤のあたりから太ももの外側を通って、膝の外側のすねの骨までつながる長いすじです。走るときに膝の曲げ伸ばしをくり返すと、この腸脛靭帯が膝の外側の骨の出っぱりとこすれる・押しつけられることで、炎症や痛みが起こります。

腸脛靭帯炎のセルフチェック
当てはまるものが多いほど、腸脛靭帯炎の可能性があります。
- 走り始めは平気だが、一定の距離や時間を走ると膝の外側が痛くなる痛みが強くなると、走り続けられなくなることもあります
- 走るのをやめて歩くと、痛みが軽くなる
- 下り坂や、階段を下りるときに膝の外側が痛い
- 膝の外側の骨の出っぱりを押すと痛い
- 膝の外側の少し上を指で押さえたまま膝を曲げ伸ばしすると、膝の外側が痛む
腸脛靭帯炎が起こる原因
- 走る量の急な増加大会前の走り込みや、ランニングを始めたばかりで距離を急に増やしたときに起こりやすくなります
- お尻の筋力不足お尻の横の筋肉(中殿筋)が弱いと、着地のたびに骨盤が下がり、膝が内側に入って、腸脛靭帯が強く引っ張られます
- 路面と走るコース下り坂、道路の傾き、陸上トラックの同じ向きでの周回などは、片方の脚の外側に負担をかけます
- 脚の形と靴O脚ぎみの人や、靴の外側がすり減っている場合も、膝の外側に負担がかかりやすくなります
ほかの膝の痛みとの違い
膝の痛みは、痛む場所と痛み出したきっかけで見分けます。
| ケガ・障害 | 痛む場所・特徴 |
|---|---|
| 腸脛靭帯炎 | 膝の外側。走っているうちにだんだん痛くなる。ケガをした覚えがない |
| 外側半月板の損傷 | 膝の外側の関節のすき間。膝をひねったあとから痛む、引っかかる、はれる |
| ジャンパー膝 | 膝のお皿のすぐ下(くわしくはこちら) |
| 膝蓋下脂肪体炎 | 膝のお皿の下の両わき(くわしくはこちら) |
膝をひねったあとから痛む、膝が引っかかって伸びない・曲がらない(ロッキング)、膝が大きくはれている、体重をかけられない、安静にしていても痛むといった場合は、半月板や靭帯のケガの可能性があります。早めに整形外科を受診してください。
痛む場所と、お尻や股関節の筋力・柔らかさ、走り方を確かめ、練習の続け方とトレーニングをご提案します。平日は21時まで(19時以降は完全予約制)、仕事帰り・部活帰りにも通えます。
走ってよいかの目安
| 段階 | 痛みの出方 | 練習の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 長い距離を走ったあとや、下り坂だけ痛む | 距離・下り坂を減らし、トレーニングとストレッチでケア |
| 2 | 走っている途中から痛くなるが、走り続けられる | 痛みが出る手前の距離まで減らし、平らな道で走る |
| 3 | 痛みで走れなくなる、歩くのも痛い | ランニングは休み、痛みの出ない運動(水中運動など)とお尻のトレーニングに切り替える |
※走りを再開するときは、痛みが出ない短い距離・平らな道から始め、少しずつ距離を伸ばします。
腸脛靭帯炎を治すためのポイント
負担を減らす走る量とコースの見直し
痛みが強い時期は、距離を減らし、下り坂や道路の傾きの少ない平らなコースを選びます。トラックでは、ときどき回る向きを変えましょう。
いちばん大切お尻の横の筋肉を鍛える
横向きに寝て、上の脚をまっすぐのまま、つま先を少し下に向けてゆっくり上げ下げします。10〜15回を2〜3セットが目安です。
着地で骨盤が下がらない、膝が内側に入らない体をつくります
柔らかくするお尻と太ももの外側のストレッチ
お尻や太ももの外側、太ももの前のストレッチで、腸脛靭帯につながる筋肉の張りをゆるめます。
痛む場所を強くゴリゴリほぐすと、かえって痛みが増すことがあります
再発を防ぐ走り方を整える
歩幅を少し小さくして足の回転を上げる、膝とつま先の向きをそろえて着地するなど、膝の外側に負担をかけない走り方を身につけます。

※トレーニングで痛みが強くなる場合は中止し、自己流で続けずにご相談ください。
本沢整骨院での腸脛靭帯炎の施術
部活やクラブチームの選手の競技復帰は、「ジュニアアスリートサポート」でもサポートしています。
よくある質問
Q.腸脛靭帯炎は、どのくらいで治りますか?
A.早めに走る量を調整してトレーニングを始めれば、数週間で落ち着くことが多いです。痛みをがまんして走り続けていた場合は、1〜2か月以上かかることもあります。
Q.痛くても走って大丈夫ですか?
A.痛みが出る手前の距離までなら、平らな道で走れることが多いです。途中で痛みが強くなったら、その日は走るのをやめましょう。痛みで走り方が変わるほどの場合は、いったんランニングを休みます。
Q.フォームローラーでほぐしたほうがいいですか?
A.太ももの外側の筋肉の張りをゆるめる助けにはなりますが、痛む場所を強く押しつけると、かえって痛みが増すことがあります。強い痛みが出ない程度にとどめ、お尻のトレーニングとあわせて行いましょう。
Q.サポーターやテーピングは効果がありますか?
A.痛みをやわらげる助けになることはありますが、それだけで治るわけではありません。走る量の調整と、お尻の筋力をつけるトレーニングが基本です。
Q.健康保険は使えますか?
A.痛みの状態や原因によって、健康保険が使える場合と自費になる場合があります。くわしくはご来院時にご説明します。料金は施術メニュー・料金をご覧ください。
腸脛靭帯炎は、原因を整えれば、また気持ちよく走れるようになるケガです。部活の学生から大人のランナーまで、お気軽にご相談ください。
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監修:院長 本澤博文(柔道整復師)

