野球肘とは|投げると肘の内側・外側が痛い原因と3つのタイプ、投球数の目安と投げていいかの判断【館林市】

「投げると肘の内側が痛い」「投げたあと、肘が伸びきらない」。少年野球や中学野球で多いのが野球肘です。痛む場所によってタイプが分かれ、なかには痛みが軽いまま進んでしまうタイプもあります。

館林市の本沢整骨院の柔道整復師が、野球肘の3つのタイプと見分け方、投げすぎを防ぐ投球数の目安、整形外科を受診すべきサイン、投球再開までの流れを解説します。

この記事でわかること

  • 野球肘の3つのタイプ(内側・外側・後方)と痛む場所
  • 家庭でできるセルフチェックと、早めに受診すべきサイン
  • 投げすぎを防ぐ投球数の目安
  • 投球を再開するまでの流れと、休んでいる間にできること
目次

野球肘とは

どんなケガ?ボールを投げる動作のくり返しで、肘の骨・軟骨・靭帯が傷み、痛みや動きの悪さが出る状態の総称です
多い年代小学生の高学年〜中学生に多く、とくに骨が成長途中の10〜12歳ごろは注意が必要です
多いポジション投手と捕手に多いですが、投げる回数が多ければ、どのポジションでも起こります

【仮画像1】野球肘の3つのタイプと痛む場所右腕の肘を手のひら側(正面)から見たイラスト。肘の内側(①内側型)、外側(②外側型)、後ろ側(③後方型)の3か所に印を付けた図
推奨サイズ:横1200×縦800px
①内側型は肘の内側、②外側型は肘の外側、③後方型は肘の後ろ側が痛みます

野球肘の3つのタイプ

野球肘は、痛む場所によって大きく3つに分けられます。タイプによって、注意すべき点や休む期間が変わります。

タイプ 痛む場所と特徴
内側型
いちばん多い
肘の内側が痛みます。投げるときに肘の内側が引っ張られ、成長途中の骨(成長軟骨)や靭帯が傷みます。小学生の高学年〜中学生に多いタイプです
外側型
見逃しに注意
肘の外側が痛みます。投げるときに肘の外側の骨どうしがぶつかり、軟骨が傷みます(離断性骨軟骨炎)。はじめは痛みが少ないことが多く、気づいたときには進んでいることがあります
後方型 肘の後ろ側が痛みます。投げ終わりに肘が伸びきるとき、肘の後ろの骨がぶつかって傷みます。中学生の後半〜高校生以上に多いタイプです
外側型は「痛くない」から安心、ではありません

外側型は、痛みが軽いうちに見つかれば、投球を休むことで治りやすいタイプです。反対に、進んでから見つかると、長い期間投げられなくなったり、手術が必要になったりすることがあります。痛みが少なくても、肘の曲げ伸ばしが左右で違う場合は早めに整形外科で検査(エコーやレントゲン)を受けましょう。地域や病院によっては、少年野球の選手向けの「野球肘検診」も行われています。

野球肘のセルフチェック

当てはまるものが1つでもあれば、野球肘の可能性があります。痛みが軽くても、早めにご相談ください。

  • 投げるとき、または投げたあとに肘が痛む
  • 肘の内側(または外側)を指で押すと痛い
  • 両腕をまっすぐ伸ばしたとき、痛いほうの肘が伸びきらない左右の腕を並べて比べてみましょう
  • 肘を曲げたとき、痛いほうの指先が肩につきにくい
  • 以前よりボールが抜ける、球速やコントロールが落ちた
  • 練習のあと、肘がだるい・重い感じが残る
【仮画像2】肘の曲げ伸ばしのセルフチェック左:両腕を前にまっすぐ伸ばし、左右の肘の伸び方を比べている子ども。右:両肘を曲げて、指先が肩につくかを比べている子ども。正面または横から描いたイラスト
推奨サイズ:横1200×縦800px
腕を伸ばす・曲げるを左右で比べます。痛いほうだけ動きが小さい場合は要注意です

野球肘が起こる原因

  • 投げすぎ1日・1週間の投球数が多い、試合が続く、複数のチームで投げているなど、肘が回復する前に投げ続けることがいちばんの原因です
  • 投球フォーム肘が肩より下がる「肘下がり」や、腕だけで投げる「手投げ」は、肘への負担を大きくします
  • 肩甲骨・股関節の硬さ肩甲骨や股関節、体幹が硬いと、体全体で投げられず、肘に負担が集中します
  • 成長期の体成長途中の骨や軟骨は、大人より弱く傷みやすいため、同じ球数でも負担が大きくなります

投げすぎを防ぐ投球数の目安

日本臨床スポーツ医学会の「青少年の野球障害に対する提言」では、全力で投げる球数(試合を含む)の目安を次のように示しています。

1日 1週間
小学生 50球以内 200球をこえない
中学生 70球以内 350球をこえない

※所属する連盟や大会ごとに、投手の投球数の制限が決められていることもあります。チームのルールもあわせて確認しましょう。練習での全力投球や、投手以外のポジションでの送球も、肘への負担になります。

すぐに整形外科を受診してほしいサイン

肘が伸びない・曲がらない、肘が引っかかって動かなくなる(ロッキング)、肘がはれている、安静にしていても痛む、投げた瞬間に強い痛みが出て投げられない、小指側の指がしびれるといった場合は、投げるのをやめて早めに整形外科を受診してください。

「肘が痛い」を、投げながらがまんしないで

痛む場所と肘の動きを確かめ、整形外科での検査が必要かどうかもあわせてお伝えします。平日は21時まで(19時以降は完全予約制)、練習帰りにも通えます。

投球を再開するまでの流れ

野球肘は、まず投げるのを休むことが基本です。休む期間はタイプと進み具合によって大きく変わるため、整形外科の医師の判断にしたがいましょう。

  1. 投球を休む肘の痛みを落ち着かせます。走る・下半身のトレーニングは続けられることが多いです
  2. 体を整える肩甲骨・股関節・体幹の柔らかさと筋力を取り戻し、肘に頼らない体をつくります
  3. 段階的に投げるシャドーピッチング→近い距離の軽いキャッチボール→距離と強さを少しずつ上げます
  4. 実戦に戻る全力投球や試合での登板は、痛みが出ないことを確かめてから。投球数も少なめから始めます

※途中で痛みが出たら、1つ前の段階に戻ります。内側型の軽いものは数週間で投球を再開できることもありますが、外側型では数か月以上かかることもあります。

投げられない間にできること

肩甲骨胸を開いて肩甲骨を寄せる

両肘を曲げて胸の横に構え、胸を張りながら肩甲骨を背骨に寄せます。ゆっくり10回ほどくり返します。

股関節お尻と太ももの内側のストレッチ

投げるときに体重を移せるよう、お尻や太ももの内側、股関節の前を伸ばします。1か所20〜30秒が目安です。

体幹体をひねる・支える力をつける

プランクなどで体を支える力をつけ、下半身の力を腕に伝えられるようにします。

フォーム肘に頼らない投げ方を見直す

肘の高さ、踏み出す足の向き、体の開きなどを確認し、体全体で投げるフォームを身につけます。

痛みのある間は、肘を使うトレーニングは控えましょう

本沢整骨院での野球肘の施術

痛みと動きの確認痛む場所、肘の曲げ伸ばしの左右差、肩甲骨や股関節の硬さを確かめます。外側型や骨の傷みが疑われる場合は、整形外科での検査をおすすめし、ご紹介します
施術と体づくり肘まわりの痛みをやわらげる施術に加えて、肩甲骨・股関節・体幹の柔らかさと筋力を整え、肘に負担が集中しない体をつくります
投球への復帰整形外科の医師の指示にあわせて、投球再開の順番や球数の目安を一緒に決めます。フォームのチェックも行います

部活やクラブチームの選手の競技復帰は、「ジュニアアスリートサポート」でもサポートしています。

よくある質問

Q.野球肘は、どのくらいで治りますか?

A.タイプと進み具合によって大きく変わります。内側型の軽いものは数週間ほどで投球を再開できることもありますが、外側型(離断性骨軟骨炎)では数か月以上投げられないこともあります。医師の診断にあわせて進めましょう。

Q.痛みをがまんして投げ続けても大丈夫ですか?

A.おすすめできません。成長期の肘は、無理を続けると骨や軟骨の傷みが進み、長く投げられなくなることがあります。痛みがあるときは、まず投げるのを休んでください。

Q.投げるのを休んでいる間、練習には参加できますか?

A.走る、下半身や体幹のトレーニングなど、肘を使わない練習は続けられることが多いです。バッティングは肘に負担がかかることもあるため、痛みの様子を見ながら判断します。

Q.肘のサポーターやテーピングで治りますか?

A.サポーターやテーピングは肘を守る助けになりますが、それだけで治るわけではありません。投球数の管理と、肩甲骨・股関節などの体づくりをあわせて行うことが大切です。

Q.大人でも野球肘になりますか?

A.はい。高校生以上や大人では、肘の内側の靭帯の傷みや、肘の後ろ側の痛み(後方型)が多くなります。年齢にかかわらず、早めのケアが大切です。

Q.健康保険は使えますか?

A.痛みの状態や原因によって、健康保険が使える場合と自費になる場合があります。くわしくはご来院時にご説明します。料金は施術メニュー・料金をご覧ください。

早く見つけるほど、早くマウンドに戻れます

野球肘は、早めに気づいて対策するほど治りやすいケガです。「少し痛いだけ」のうちに、お気軽にご相談ください。

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監修:院長 本澤博文(柔道整復師)

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