肉離れ(筋挫傷)の症状と治療について
肉離れとは
肉離れ(筋挫傷)は、筋肉が急激に収縮した際に筋繊維の一部または全部が断裂する外傷です。スポーツ活動中に多く発生し、適切な治療とリハビリテーションが競技復帰のカギとなります。
以下に肉離れの好発部分とその発生状況を解説していきます。
部位別の特徴
ハムストリングス(大腿後面)
好発年齢: 20~40代
好発スポーツ: 陸上競技(短距離走)、サッカー、ラグビー、バスケットボール
発生メカニズム: スプリント時の急激な股関節屈曲と膝関節伸展の同時動作
症状
- 大腿後面の突然の鋭い痛み
- 歩行時の痛みと跛行
- 膝関節屈曲時の痛み増強
- 触診時の圧痛と筋硬結
大腿四頭筋(大腿前面)
好発年齢: 10~30代
好発スポーツ: サッカー、ラグビー、陸上競技(跳躍系)、バレーボール
発生メカニズム: キック動作時やジャンプ着地時の急激な筋収縮
症状
- 大腿前面の激痛
- 膝関節伸展力の低下
- 階段昇降時の困難
- 腫脹と内出血斑
下腿三頭筋(ふくらはぎ)
好発年齢: 30~50代
好発スポーツ: テニス、バドミントン、バスケットボール、剣道
発生メカニズム: 急激な方向転換や踏み込み動作時
症状
- ふくらはぎの突然の痛み(「何かに蹴られた感覚」)
- 足関節底屈時の痛み
- つま先立ちの困難
- 歩行時の跛行
内転筋群(大腿内側)
好発年齢: 20~40代
好発スポーツ: サッカー、ホッケー、アイススケート、体操
発生メカニズム: 股関節の急激な外転動作や方向転換時
症状
- 鼠径部から大腿内側の痛み
- 股関節内転時の痛み増強
- 歩行時の違和感
- 深部の鈍痛
重症度分類
肉離れは重症度によりその後の治療の進め方が異なってきます。
Grade I(軽度)
- 筋繊維の微細損傷
- 軽度の痛みと圧痛
- 機能障害は軽微
- 競技復帰:1~2週間
Grade II(中等度)
- 筋繊維の部分断裂
- 中等度の痛みと腫脹
- 明らかな機能障害
- 競技復帰:3~6週間
Grade III(重度)
- 筋繊維の完全断裂
- 激痛と著明な腫脹
- 重篤な機能障害
- 競技復帰:6週間以上、手術適応の場合も
リハビリの進め方
一般的な肉離れのリハビリの進め方として、ここではⅡ度相当の損傷を想定し、それぞれのタイミングでどのようなリハビリを行っていくのかを紹介します。
急性期(受傷後0~72時間)
目標: 炎症と痛みの軽減、二次損傷の予防
アイシングや固定、患部の圧迫などを行い炎症の早期改善を目指します。
亜急性期(受傷後3日~2週間)
目標: 組織修復の促進、可動域の維持・改善
体重をかけない姿勢で、徐々に関節を動かす練習を始めます。
また、同じく体重をかけない姿勢で軽い筋力負荷をかけたトレーニングを行っていきます。
受傷後(2~6週間)
目標: 筋力・筋持久力の回復、機能的動作の獲得
徐々にストレッチや筋力トレーニングの強度を上げていきます。
体重をかけてのリハビリもこの時期から徐々に開始します。
バランストレーニングなどの感覚器へのアプローチも開始します。
競技復帰期(受傷後6週間以降)
目標: 競技レベルでの機能回復、再発予防
競技特性を踏まえて実践的な動きを想定したトレーニングを開始します。
切り替えし動作やジャンプ系のトレーニングをこの時期から開始します。
当院でのアプローチ

肉離れは、痛みの消失=治癒ではありません。
安静で痛みが引いたのでスポーツを行ったら再受傷というケースが多々あります。
放置せず、適切なリハビリを行いましょう。
まとめ
肉離れは適切な初期対応と段階的なリハビリテーションにより、多くの場合完全な競技復帰が可能です。重要なのは受傷後の適切な評価と、個人の状態に応じた治療プログラムの実施です。
本沢整骨院では、豊富な経験と最新の治療技術を用いて、患者様一人ひとりに最適な治療を提供いたします。肉離れでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
本沢整骨院
群馬県館林市小桑原町847-2
TEL: 0276-75-5120
診療時間: 平日9時~12時30分 15時~21時※19時以降完全予約
休診日: 日曜祭日
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