その膝の痛み、原因は「脂肪」かもしれません
膝蓋下脂肪体炎(ホッファ病)
「立ち上がるときに膝の前が痛む」「階段の上り下りがつらい」「たくさん歩くと膝のお皿の下がズキズキする」
レントゲン検査では異常が見られなかった。
このような症状に心当たりはありませんか?色々試したけれど、なかなか改善しないその膝の痛み、もしかしたら「膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)」が原因かもしれません。
あまり聞き慣れない名前ですが、膝の痛みを引き起こす非常に重要な組織です。このページでは、膝の痛みに悩むあなたのために、膝蓋下脂肪体とは何か、なぜ痛むのか、そしてその対処法まで詳しく解説します。
膝のクッション、「膝蓋下脂肪体」とは?
膝蓋下脂肪体とは、膝のお皿(膝蓋骨)と、その下にある太いすじ(膝蓋腱)の奥に存在する、脂肪の組織です。
一見ただの脂肪に見えますが、実は非常に重要な役割を担っています。
- クッション機能:膝にかかる衝撃を吸収し、関節を守ります。
- 潤滑機能:膝の曲げ伸ばしをスムーズにする働きがあります。
そして最も重要な特徴は、血管や神経が非常に豊富であることです。そのため、この組織が何らかの原因で傷つくと、強い痛みを感じるのです。この状態を「膝蓋下脂肪体炎(しつがいかしぼうたいえん)」または「ホッファ病(Hoffa病)」と呼びます。
なぜ痛くなる?膝蓋下脂肪体炎の症状と原因
こんな症状はありませんか?セルフチェックリスト
□ 膝のお皿のすぐ下や、その両脇が痛む
□ 膝をまっすぐに伸ばしきると痛みが強くなる
□ 長時間立っていたり、歩いたりすると痛む
□ 階段、特に下りるときに痛む
□ 膝の奥に、じんわりとした、あるいはズキズキとした痛みを感じる
□ 膝を曲げ伸ばしする時に、何か挟まるような違和感がある
□ 痛む部分が少し腫れていたり、熱っぽかったりする
これらの症状が当てはまる場合、膝蓋下脂肪体炎の可能性があります。
膝蓋下脂肪体炎の主な原因
膝蓋下脂肪体に負担がかかる主な原因は以下の通りです。
- 繰り返しの負担(オーバーユース)
- ランニングやジャンプなど、膝の曲げ伸ばしを繰り返すスポーツ
- 長時間の立ち仕事や営業での歩き回り
- 直接的な外傷
- 転倒して膝を強く打つなど
- 身体の使い方の癖
- 膝が伸びすぎてしまう「反張膝(はんちょうひざ)」
- 太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が硬い
- 猫背や反り腰など、姿勢の崩れ
- その他
- 変形性膝関節症や半月板損傷など、他の膝の疾患に合併して起こる
- 膝の手術後の影響
これらの原因により膝蓋下脂肪体が圧迫されたり、挟み込まれたりして炎症を起こし、硬くなります(線維化)。硬くなった脂肪体は、さらに挟み込まれやすくなるという悪循環に陥り、痛みが慢性化してしまうのです。
自分でできる?簡単なチェック方法
前述の症状のチェックリストの他にも、ご自身で膝蓋下脂肪体の問題を確認する簡単なテストがあります。
【ホッファテスト】
- 椅子に座り、膝を軽く曲げた状態にします。
- 膝のお皿のすぐ下、外側と内側を両手の親指で軽く押さえます。
- 指で押さえたまま、ゆっくりと膝をまっすぐに伸ばしていきます。
この時に、いつも感じている痛みや、強い圧痛が再現されれば、膝蓋下脂肪体が痛みの原因である可能性が高いと考えられます。
※注意:強い痛みがある場合は無理に行わないでください。あくまで簡易的なチェックであり、正確な診断は専門家にご相談ください。
※ホッファテストについてはこちらのYouTubeで詳しく紹介されています。
対処法と本沢整骨院の対応
膝蓋下脂肪体炎は、レントゲンでは異常が見つかりにくく、「原因不明の膝の痛み」として見過ごされがちな疾患です。痛みを我慢したり、自己流のマッサージを続けたりすることで、かえって症状を悪化させてしまうケースも少なくありません。
もしあなたが長引く膝の前の痛みに悩んでいるなら、それは決して気のせいではありません。痛みの根本原因は、硬くなった膝蓋下脂肪体と、それに負担をかける身体の使い方にあるかもしれません。
本沢整骨院の対応
当院では、丁寧な問診と評価で痛みの原因を正確に突き止め、一人ひとりの状態に合わせた施術プランをご提案します。徒手療法によって膝周囲の組織の柔軟性を改善し、運動療法を通して膝に負担のかからない正しい身体の使い方を指導することで、痛みの根本改善と再発予防を目指します。
「この膝の痛みとは、もう一生付き合っていくしかない」と諦める前に、ぜひ一度、私たち専門家にご相談ください。あなたの快適な毎日を取り戻すお手伝いをさせていただきます。
本沢整骨院
群馬県館林市小桑原町847-2
℡0276-75-5120
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