交通事故
本日いらっしゃった患者さんの所見をもとに疾患について解説していきます。
本日は60代の方の膝の痛みについてです。
患者さんの訴え
・およそ3カ月前から特別な原因なくひざが痛む
・痛みはひざの内側に感じる
・整形外科を受診しレントゲンを撮ったが異常なしと言われた
・痛みは徐々に悪化しており、階段の昇り降り、正座、動き出し時に痛みを感じる
変形性膝関節症に関する知識
変形性膝関節症は、膝の軟骨(半月板)が繰り返しのストレスですり減り、やがて骨の変形が生じる疾患です。
60代以上の女性に多くおよそ800万人が罹患していると考えられています。
症状は?
症状は進行度合いによって違いがありますが、一般的に以下のように進行していきます。
初期の症状
朝や長時間同じ姿勢の後の動き出し時などに軽い痛みや違和感を生じます。
この段階でのレントゲン検査では「異常なし」と言われる可能性もあります。
もう少し進行すると、正座での痛みや階段の昇り降りで痛みを感じるようになってきます。
この段階では、レントゲンで「関節の隙間が狭くなっている」などと指摘される可能性があります。
中期の症状
徐々に歩行時にも痛みを感じるようになっていきます。
関節の腫れや熱感などもこの段階となると発生します。
末期の症状
歩行時の痛みを含めて、中期まででみられた症状がさらに悪化します。
痛みのため活動量が減り、日常生活に大きな支障を生じます。
今回の患者さんのケース
今回いらっしゃった患者さんは、事前に整形外科を受診して異常なしと言われていました。
しかし、歩き出しの痛みや違和感が徐々に悪化しているとの事で当院を受診してくれました。
怪我の原因もなく、レントゲン検査でも異常なし、60代という年齢、痛む場所などをトータルで判断すると、変形性「膝関節症の初期ではないか?」と推測しました。
対応
今回のケースに対して、関節部の痛みや炎症を抑える目的で電気療法
関節周囲の痛みの緩和目的でマッサージ
動きの改善で、可動域訓練と膝蓋骨のモビライゼーションを行った。
今後は、大腿四頭筋の筋力増強訓練などを進めて行く予定