交通事故
筋短縮とは?
筋の伸張性が低下した状態
筋実質の伸展性低下と、筋膜の繊維化によって生じる。
筋実質の伸展性低下の機序
筋節が減少することで生じる
筋膜の繊維化の機序
・関節の不動や運動不足で発症
・筋膜のコラーゲン繊維に架橋結合が形成されることで伸展に対して抵抗性が発生
筋痙縮とは?
関節や、筋などの組織に痛み刺激が加わると脊髄に侵害情報が伝えられる。
脊髄に入った情報は2股に分かれ、一方は脳へ痛み信号として伝えられ、もう一方は脊髄反射によって筋肉や周囲血管にフィードバックされこれらを攣縮させる。
筋短縮と攣縮の見分け方
1.圧痛の有無
攣縮の場合はポリモーダル受容器の閾値が下がり、圧痛を形成
短縮の場合は、圧痛を認めにくい
2.伸長位と弛緩位の緊張程度
攣縮では、どの肢位でも持続的に緊張が高い
短縮では、筋を伸長させたときに緊張が高くなる
3.筋力低下の有無
攣縮では、筋力低下を認める
短縮では、筋力低下を認めない
4.等尺性運動での疼痛
攣縮では、等尺性運動により血管内圧が上がり疼痛を引き起こす
短縮では、疼痛は出現しない
治療介入
筋攣縮に対しては、筋緊張緩和が、
筋短縮については、筋の伸張性獲得が治療として必要な事となる。
反復性等尺性運動はこの二つの目的を達成しうる方法である。
筋攣縮に対する反復性等尺性運動の生理機序
等尺性運動は、筋腱移行部に効果的に伸長刺激を加えられる。
筋腱移行部に伸長刺激が加わると、ゴルジ腱器官が反応し脊髄レベルで抑制介在ニューロンが発生し、筋が弛緩する。
※なんで、攣縮が発生するか覚えていますか?
そう!痛み刺激が脊髄レベルでフィードバックされ筋に痙縮を発生させるからでしたね。
という事は、脊髄レベルで抑制がかけられるという事は、かなり有効な介入となります。
また、この等尺性運動を低負荷で反復的に行うことで、筋ポンプ作用による血流改善や筋浮腫改善を期待できます。
筋短縮に対する反復性等尺運動の生理機序
筋短縮に対しては、筋腱移行部への刺激がフィラメントの再合成を促すことが報告されている。
これにより、筋節が再合成され伸展性が改善する。
具体的方法
①対象とする筋を疼痛が出現しない範囲で伸長位にする。
②収縮方向に3~5秒等尺性運動を行う。
※この時、攣縮の場合は出力5~10%、短縮の場合は10~20%程度を目安とする。
また、疼痛が出現しないという事も条件となる。
③疼痛や緊張の減弱を確認しながら、5セット~10セット程度を目安に繰り返す。